伝統工芸と深い関わりのある漆(うるし)

漆の木から産出される樹液を精製し、食器や寺社仏閣の装飾、塗装に活用されている塗料です。

二戸市はその漆において、国産のおよそ74%(令和2年度実績)を占める1525kgもの量を算出する一大産地です。

2015年に重要文化財の修復には国産漆を使用するよう通達が出されて以来、需要は確実に増えており、将来的な産出を見据えた保全活動も並行して行っております。

2020年には「”奥南部”漆物語~安比川流域に受け継がれる伝統技術~」が日本遺産に認定され、二戸市、八幡平の漆文化が注目を集めています。

木から染み出る漆の樹液

将来の職人養成、苗木の確保

今後も国産漆の需要が見込まれるため、二戸市では将来にわたって産出量が減らないよう、職人の養成、漆原木の確保に動いております。

地域おこし協力隊の制度を活用し、都心部からの移住者が漆掻き職人となるための自立を促したり、採り終えたら切り倒してしまうために減り続ける漆原木の立ち木数を維持するための植樹活動、植林に対する助成制度を設けて、公民連携で漆文化保全に取り組んでいます。

2021年4月から地域おこし協力隊として漆掻き職人となった金山さんもその一人。

「伝統工芸に携わりたいが、生活ができるか不安」という方も、協力隊として安定した収入があることで安心して門戸を叩けるよい仕組みとしてご活用いただけております。

将来の世代に引き継ぐための創意工夫

浄法寺うるし林は、漆の木の植林地として大規模に造成をしている土地です。

漆は15~20年の木から樹液を掻き取るのですが、基本的には1滴残らず取って切り倒すことになります。

このうるし林では、従来通り樹液を掻き切った漆の木から、その後どの程度樹液が出るのか、どのように掻き傷を入れればたくさんの樹液が出るのか等、さまざまな実証実験を行う場としても活用されています。

また、一般の方でもご自由に立ち入っていただける場所となっておりますので、お近くにお立ち寄りの際にはご覧いただけます。
(※漆の木に直接ふれるとかぶれる恐れがありますので、お手を触れないようお願いいたします)

新規就農に対する補助制度

二戸市では、漆関連産業に携わってみたい方向けに助成制度を用意しています。

地域おこし協力隊とは別枠の制度となりますので、随時ご相談を受け付けております。

お気軽にお問い合わせください。

〇二戸市-新規就農者支援対策事業
〇二戸市-漆掻き新規就業者支援事業
お問い合わせ

〒028-6892 岩手県二戸市浄法寺町下前田37-4
二戸市 浄法寺総合支所内 漆産業課
TEL:0195-38-2211 FAX:0195-38-2218